こんにちは！店長です！
昨今の日本では気候の影響もあり、スーツのカジュアル化がどんどん進んできております。
時代の変化と共にスーツスタイルが少しずつ変わっていくことは、スーツの長い歴史の中でも当然起こってきた事です。
しかしながら、”ラフ”なスタイルが浸透するあまり、スーツの本来の意味やマナーが失われつつあると肌に感じています。
スーツとは、ただのビジネスウェアではありません。
長い歴史と文化を背景に持ち、男性の社会的な役割や美意識を象徴する衣服です。
時代が進む中で、その意味や役割が変わってきたのも事実ですが、「スーツとは何か」という問いに対して、私たちは今一度振り返る必要があると感じています。
そこで今回は、スーツの歴史を交えながら、フィッターの私が伝えたい「本来の装い」についてお話しさせていただこうと思います。
〜歴史〜
スーツの起源は、17世紀のイングランドに遡ります。
当時の王チャールズ2世は華美なフランス宮廷ファッションに対抗するように、より落ち着いた服装を奨励しました。ここに、今日のスーツの原型が誕生します。
その後、19世紀に入ってヴィクトリア朝時代を迎えると、上下揃いのスリーピーススーツが確立され、産業革命と共に中産階級の間でも広まっていきました。
〜英国スーツスタイル〜
そんな中でも英国はスーツ文化の中心地として進化を遂げていきます。
テーラー文化が花開き、サヴィル・ロウには多くの名門テーラーが軒を連ねるようになります。
彼らが作るスーツには、英国独特の美学があります。
構築的なショルダーライン、しっかりとした胸のボリューム、ウエストの絞り—。
これらは全て着る人の体格を美しく、力強く見せるための工夫で、まさに「装いによって人は強くなる」という思想がそこにあります。
当店のモデルでもある「ブリティッシュスタイル」のスーツは、この伝統を大切に守りながら現代のライフスタイルに調和するようにデザインされています。
見た目の美しさだけでなく、袖を通したときの背筋が伸びるような感覚。それこそがブリティッシュスーツの真髄です。
〜現代日本のスタイル〜
しかし、現代の日本に目を向けるとスーツの位置付けが大きく変わりつつある事に気づきます。
クールビズの浸透や働き方改革によりノータイやノージャケットが定着し、スーツ自体を着ない人も増えてきました。
また、着るとしてもストレッチ素材やアンコン（芯地を省いたもの）ジャケットなど軽く快適な着心地が重視される傾向が強まっています。
もちろん、時代に合わせて服装が変化する事自体は自然な流れです。
しかし、「楽な服」が行き過ぎると「装うことの意味」そのものが希薄になってしまう恐れもあります。
スーツは本来、ある種の緊張感を伴うものです。
TPO（時・場所・場合）を意識し、自分を律するための服装。
装いとは他人の目を気にするためだけではなく、自分自身と向き合うための行為でもあると私は考えます。
〜当店の仕立てるオーダースーツ〜
私はスーツを「ただの仕事着」としてではなく、「自分を形作る鎧」として見ています。
特にブリティッシュスタイルのスーツにはその精神が色濃く反映されています。
姿勢を正し、言葉遣いに気を配り、まさにそのような内面の変化を引き出す力であると考えています。
最近では「オーダースーツ」や「クラシックスタイル」に改めて注目が集まりつつあります。
ファッションの一部として、また自己表現の手段としてスーツを再評価する動きも見られます。
そうした流れの中で、当店の役割は単なる販売にとどまらず、本来のスタイルや文化を伝える「案内人」として責任があると私自身は考えています。
〜まとめ〜
いかがでしたか？
恐らく、私だけではなく全国のフィッターやテーラーも同じ気持ちなのではと思います。
スーツスタイルのカジュアル化に反対しているというわけではありません。
スタイルの幅が時代の流れと共に広がっているからこそ、本来の意味を理解し、TPOによっての使い分けは大事だと思います。
地位ある方や重役の方が場違いな格好で壇上に上がっていたらガッカリですよね？
「どんなスーツを着るか」ではなく、「なぜそのスーツを選ぶのか」—その問いに明確な答えを持てる方こそ、本当にスーツを理解していると言えるのではないでしょうか。
当店のブリティッシュスタイルのスーツを通して、今一度「装う事の意味」を見つめ直してみてください。
2nd SELECTION bespoke couture
〒770-0832 徳島県徳島市沖浜東一丁目43-4 MAP
TEL 088-655-3420 FAX 088-655-3581
休 日：毎水曜日、水曜日が祭日は木曜日（出張等により変更になる場合がございます）
駐 車 場：店舗前 専用駐車場あり
H-Page 2nd-selection.com