美しいもの、きれいで価値があるものを見極める力や能力。

1、審美眼(しんびがん)とは

美しいものやきれいで価値のあるものを見分ける眼織(がんしき)のことで、それら(美しいもの、きれいで価値があるもの)を見極める力や能力を指します。
芸術作品やデザインの価値を評価する繊細な感受性を指し、美術、デザイン、ファッション、写真など、多岐にわたる分野で重要とされています。

2、審美眼を持つ人

審美眼を持つ人は、色彩、形、構成、質感などの視覚的要素を敏感に感じ取り、それらがどのように組み合わさって美的価値を生み出しているかを理解することができます。

「審」には、「審議」「審判」「審査」などの語句が示すように、正しいか、そうでないかを明確に見分ける、という意味があります。さらに「審」には、物事に対して細かく調べて評価するという意味もあるため、美を明確に見分ける眼という意味で「審美眼」ということができます。

つまり、審美眼とは私たちの周りにある無数の美を感じ取り、その奥深い価値を認識する心の眼のこと。この能力は、ただ物を見るだけじゃなく、その美しさを深く理解し、感じることができる特別な感覚と言えるでしょう。特に私たち日本人の場合、この審美眼は自然の美や四季の変わり目を大切にする文化から影響を受けているかもしれません。例えば、桜の花が咲く短い期間の美しさを楽しむことや、秋の紅葉の色づきを愛でる心。これらは日々の生活の中で、美に対する敏感さや感謝の気持ちを育むことに繋がっています。

3、審美眼を養う方法

1.本物に触れる。

美術館やアートギャラリーへの訪問はもちろん、モノ、食、空間、さまざまな世界のスタイルやアート作品に触れるといいでしょう。世界のモノ、食、空間を幅広く触れることで、異なる美の形式や表現方法についての理解を深めることができるようになります。

2.本物を学ぶ。

歴史や理論を学ぶことは、より深く理解する上でとても役に立ちます。背景知識を身につけることで、審美眼が養われます。

3.旅を通して審美眼を養う

世界中を旅することで、その国々の文化に触れて独特な感性を身につけられます。その中で美を見つけ出す習慣を身につけることも、審美眼を養うのに役立ちます。自然の景色、建築、デザイン、食、日用品など、身の回りのあらゆるものから美を見出せます。

4.理解する

なぜ美しいのか?なぜ心地良いのか?を理解する。最も大切なことは自分の感知能力です。後付けでよいので、論理的に考えてみてください。美しいものの共通項を発見できたり、再現性に気付くことができるかもしれません。理解することは審美眼を磨くエチュードです。

何より、気分が上がります。自分の「好き」を分析することで、納得が生まれ、自分自身を肯定することにつながります。

5.美しく見る眼

その蓄積の副産物として、「世界を美しく見る眼」が養われていきます。同じ景色を見ていても、豊かな受け取り方ができるようになってくる。美しさの多くは、既にそこにあり、発見するものです。それを抽出したり、提示したり、光の当て方を変えたり、イメージを形にしたり。異なる発想が結びつけば、新しいクリエーションが生まれます。その機能が働くと、インプットが、アウトプットに転化します。

6.几帳面で丁寧。

「几帳面」とは「厳格で折り目正しいこと。いい加減でない様子」を表す言葉です。細部まで神経が行き届いて、きちんと整理された仕事ぶりを「几帳面な仕事」などと表現したり、人の性格を指したりて使われます。

「丁寧」とは、注意深く念入りであること、または手厚く親切なこと。主に「細かいところまで注意が行き届いている」という意味と、「礼儀が正しい」という意味があります。

4、審美眼を養うと人生が豊かに。

審美眼を養うと、世界がもっと色鮮やかで奥深いものに変わってきます。日常にあふれている美しい瞬間や、当たり前だった小さな幸せに気がつくことができたりもします。たとえば、朝の光がカーテンを通して部屋に差し込む様子に心癒されたり、家族との何気ない会話に幸福感を覚えたり、普段は見過ごしてしまうかもしれない豊かさや美しさを見つけられるようになります。

審美眼が磨かれるとアートや音楽、文学など、さまざまな創作物に対する理解を深めることができるようになります。作者が伝えたかった感情やメッセージを読み解くことができるようになったり、作品との対話がより豊かなものになります。自分自身が何に価値を感じ、何に感動するのかを知ることは自己理解にも貢献します。

さらに、審美眼を養うことは、日常生活においてもポジティブな変化をもたらします。美しいものを選び、取り入れることで、生活空間やファッションがより心地よいものになったり、自分自身を表現する新たな方法を見つけることができるかもしれません。また、人との関わりの中で、相手の美しい側面を見つけ出し、それを称賛することで、人間関係にも温かみが増します。

それらを続けていると、審美眼は磨かれていきます。「美しさ」というものは、きわめて複合的なものです。一面だけでは説明できません。複数のレイヤーによって形づくられています。それを正確に掴みとるためには、感覚と論理の両輪が必要になります。

このエチュードを、ぜひライフスタイルに取り入れてみてください。

5、まとめ。

  • さまざまなアート作品に触れる美術館やギャラリーを訪れる。
  • アートの歴史や理論を学ぶ。
  • アート作品を自分で創作してみる。
  • 日常の中で美を見出そうとする。
  • 改善点を探す視点を持つ。
  • 美しい側面を見つけ出し、それを称賛する。
  • モノの絶対価値を理解できるようになる。
  • 旅をして非日常を感じてみる。

あの人はどこかセンスがあるな!とか、本物を知っているな!とか。人から一目置かれる方はやっぱり審美眼を持った方です。

最後まで御覧いただきまして誠にありがとうございました。ご質問等がございましたら何なりとコメントくださいませ。

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